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April 04, 2007

反面世界

『子供を愛さない親なんていない』


母が言った。


私も、そうであればいいと思う。


でも、この世界には。

子供を物や道具としか扱わない人間や、親を諦めなければいけない子供達がいることを知らなければならない。


理想論は、過剰に誰しもが追い求める心理だろう。


その子達がどれほどの心のキズがあるのか知れないのに、理想論だけ押し付けても理解できない。


だって、当たり前のはずの愛情を注いでもらってない。
そんなこと味わったことのない人間に、抱きしめる以外なにができる?


愛し方は、自分で学ばなければならない。
その道は、辛く、険しく、孤独で。
まだ同じ境遇にいる兄弟達がいる人は、『守る』という自分なりの愛情を見つけることができる。


きっと、未来は来ると信じられる。


親を諦める…
私には到底分からない痛みだろう…


でも、現実世界。


私は、救われてる。
私が今、娘も彼も母も自然に愛せるのは。
ちゃんと愛情の中で育ってきたんだと。
過剰な愛情だったかも知れない。
吐き違えた愛情だったかも知れない。
だからわがままなくせに涙脆くて、いい加減なくせに寛容で。


相反する何人もの自分が混在してて。


目を塞ぎ、耳を塞ぐ。
そして見据えろと叱咤して、聞く耳を持てと促す。


物事を一方から視るのは危険で、他方から視過ぎては二の足を踏む。

世界中が幸せになるなんてのは夢のまた夢。
なのに、そうありたいと願う人達が居て行動して。

誰かは嘲笑い、誰かは足を引っ張って。

誰かは背中を押し、誰かは手を差し伸べる。

みえるひと
みえないひと

それぞれが、それでもここに足をつけて生きている。

幸せはそこに有るのに、探して見つからない。

時々、早く大人にならなきゃいけない子供が居る。

早く、たった一人の誰かが気づいて、抱きしめてあげられればいいと。

切に願う。

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April 02, 2007

私は、rahleが学校なんかで嫌なことあったとか、友達にされたことが悲しかったとか。

そういう話は一通り聞いて、それはアドバイスしかしてあげられないから自力でなんとかなるよう言うんだけど。

ホント些細なことで、相手もキズつけるつもりもなくて、でもキズついた方はやり場がなくて。

そんな時は決まって、ギュッて抱きしめてこう言う。

『それは悲しかったね。でも、傷ついたことのある人は優しくなれるから、rahleはもっと優しく、強くなれるからね?大丈夫。どうにもならない時は私がついてる。大丈夫だからね。』

したら泣きながらうなずく。
rahleは優しく育ってる。
私は時々その片鱗を見る。

いつだったか、ひどく母と喧嘩した。
これを期に縁を切る。
せいせいする。

そんな風に言われて。
まぁ母も売り言葉に買い言葉だったんだけど。
ベッドでしくしく泣きながら
「私はいらん子なんやわ…」
なんて呟いてたのをrahleが聞いちゃって。
ぎゅって抱きしめて、泣きながら
「ママはいらん子なんかじゃないよ…大切な大切なママよ」
と言ってくれた。

あぁ…この子は人の痛みのわかる子に育ってる。
そう感じた。

子供に慰められるなんて、ヘタレ親もイイトコロですが。

人は完全じゃないことも知って欲しい。
だから努力するんだ。
許せるんだ。
矛盾したものを認めあえるんだ。

心を鍛えよう。

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伝わらないこと

それが、悲しくて寂しくて。


伝えきれない自分がもどかしくて悔しくて。


母に手紙書きました。


前にも母のこと書いたけど、やはり感性や生き様、生きてきた時代。時間が、自分とずいぶんちがくて。


どう言葉を綴れば伝わるのか、声を発すれば伝わるのかてんでわからないのです。


あの人の前では私はまだカタコトの赤ん坊扱いなのでしょうか。


でも、だからこそ解ってもらいたい。
同じように思って欲しいなどと、大それたことは言わないから。
知って欲しいと思う。


認め合うことができるよう…


私のことだから、きっと手紙もカタコトで、母には理解できない感覚もあるだろう。


でも、いい。


持ち札はさらけだす。


なんで私が、彼を選んだのか。
解ってもらいたいから。


きっとこの鎖。
この枷をなぎ払うための私にかせられた試練。


私が愛した人を、守れなくてどうする。
ただ、矢面に立たすだけでどうするの?


私をすべてで守ろうとする人の心を。


だから。
たくさん泣きながら手紙を書いた。


あとは、渡すだけ…

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April 01, 2007

歌は愛になる

こんなにも好き。
溢れてしまいそう…

昨日と今日は、たくさんの愛を短い時間で交わしあった。
こんな幸福な時間があることを、どれだけの人が気づけるだろう。

一緒にいられる時間は常に、手を繋いでいたり、触れ合っていた。

笑いあって、たくさんの涙も交わしあった。

『おかしな話かもしれないけど、この人を受け止められるのは俺しか居ないだろうなと、漠然と前から思ってた』
キミが言った。

私は…愛したいとばかり思う片道通行を望んでは間違う。
愛されることに無頓着で。
受け入れる用意など持っていなくて。

でも、そうではなくて私が愛すると同じだけの愛を持ってる人でないと、ダメだったんだね。

出会えてよかった。
愛し続けてくれて嬉しい。
愛せるようになってよかった。

気付くことができて。

本当によかったよ。

『人は生きて行く上で、なにかしらオブラートに包んで相手に飲み込み易いように操作している。それが全く必要ない、オブラートなんかなしでぶつけても受け止められる人は初めてだよ』
そうなのかな。
キミにとって、そんな心あらわにできる人間であるならば。
こんな嬉しいことはない。

気付けてよかった。
キミのでっかい愛に。夢に。悲しみに。
長い間、心を閉ざしていてごめんね?
でも今、気付いたこと誇れる。
たくさん気付かせてくれたこと、話してくれたこと、伝えたいけれど。私には難しいかも知れない。
でも、機会があれば。
私の愛する人達に伝えたい。

色んなDVDを一緒に見ながら、笑ってワイン飲んで、クラッカーにチーズやサーモンのせて食べたりなんかして。
歌って、にゃははーって笑ったりして。

あれ?私何で感極まっちゃったんだっけ?
とある歌詞と桜井さんの振り絞る様な表情と声にボロボロ泣けてきて。
抱きしめあってしばらく泣いた。

泣きながら前半に書いた様なことを言いあったり、していた。

昔、彼の友人が若くして亡くなったことがあった。
その時は既に彼は県外に出ていて、私の方が先に知ることになった。
迷った。
知らせるべきか。
でもきっと、私が告げるべきことじゃないと思った。

『Nの話なんやけど…』

彼が重い口を開いたとき、私「あ」と思った。                  頷きながら聞いてた。
『あいつ、事故でってことになってるんやけど、本当は…』
そこまで言うと、言葉に詰まって肩が震えてきた。
私は、抱きしめる腕に力を込めて頷く。
『本当はあいつ…自分の部屋で…首吊って…』
「…うん…うん…ごめんね知ってた…連絡しようかと思ってたんだけど…」
ちょうど、私の肩の辺りに彼の頭があって。じわりと肩を濡らす。

『そう…知ったのはだいぶ後で、葬儀にも出られなかったから…
線香あげにあいつの家に行って…なにも親なんかも理由がわからないから、なにか知らないかとか聞かれてさ?』

声が震えてる…

『なにも知らなかったから、答えてあげられることはなかったんだけど…昔、あいつとOと将来のことなんかを河原で話たりしたことがあって…
その時俺は、子供達を救える教師になりたいって話して、Oは自転車で頂点極めるだとか言ってて』
「あは…うん…」
『で、その時あいつは、俺にはなにもないなぁ…とか言ってて…
あいつも話を書くヤツだから自分に籠るって言うか…』
「うん…辛かったね…みんな思ったろうね…家族も…友達も。なんで気付いてやれなかったんだろう…自分に頼ってくれなかったんだって…自分はあいつの拠り所になれなかったのかなって…
悔しかったね…
辛かったね…」

私の肩を濡らしながら彼が泣く…。

『…俺は…そんな選択肢絶対…間違ってたんだって…生きて…幸せ繋げて…見返してやるって言うと変だけど…証明してやるって思った』

人は…誰かに受け入れてもらえないと…脆い。
本当は受け止めてくれる人、いるのに居ないと思い込んで孤独を嘆く。
そんな時。死が誘惑する…

彼は、悲しみと怒りを飼っている。
両親への不信から、悲しい子供を救いたいと言う気持に繋げて、色々つまづきながら、生きてきた。
とても深い深い傷を、飼い慣らして、それでも優しく笑う。

辛かったね…
怖かったね…
よく頑張ったよ…
もう大丈夫。
大丈夫だよ…
もう、私がずっとついてる。
今まで頑張ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
もう…大丈夫…

私は、何度も何度も彼に囁いた。

今までごめんね?
気付いてあげられなくて…

もう、離さない。
離れない。
精一杯生きて、一緒にいよう。
死ぬ時は、一人かも知れないけど…
ずっと手を、繋いでいよう。

まだ離れ暮らさなければならない日々はあるけれど。
心つながってる。

『安心している、とか言うわけではないけど、キミの気持ちが…キミの中に確実に僕がいることを…感じるから。嬉しい』

私も。泣ける程。
嬉しい。
いっぱいで、溢れてはみだしてる。

キスを浴びせよう。
rahleにするように。
髪に、おでこに、瞼に。
鼻に、顎に、唇に…

手のひらに、指に、すべてに。

愛してるよ。
愛している。

歌って。
歩いて行こう。

もっと、話をしていこう。
たくさんたくさん。
共有したい…

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あと少し

もう少しだけ。
一緒にいられる…

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